ヒオス島のマスティハ マスティック
通信販売 原料販売|ギリシャ食品

エスティア日本はマスティハ正規取扱店です。
ギリシャ ヒオス島|健康食品 化粧品 原料

ブログ パラカロ・ギリシャ
マスティックを使ったレシピ集
生産者の紹介

2024年 04月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     
今日
2024年 05月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  


マスティックを知ろう!使おう!
 
TOP >  ギリシャの生産者の方々 > マスティハ(マスティック) Overview
マスティハ(マスティック)OVERVIEW

「マスティハショップ(mastihashop)」 は「キオス・マスティハ生産業者組合」直営店。アテネ、アテネ国際空港をはじめ国内に9カ所の店舗を持ち、ニューヨーク、パリにもおしゃれな店舗を構えます。キオス島のショップでは海を望む解放感いっぱいのカフェが併設されて、多くの観光客や地元の人でにぎわいます。またマスティハを使ったクッキング教室も好評です。

キオス・マスティハ  原産地呼称保護(PDO)プロダクト認定品
ヨーロッパ連合(EU)は1992年農産物の原産地呼称を保護のために理事会規則2081/92号を制定しました。

原産地呼称保護(PDO)とは、農産物や食料品の産地・由来する特定の地理的区域もしくは例外的に国名を指定して表現するのに使用されます。それらの品質や性質は自然界からまたは人的な要素を含めた地理的環境にのみ起因し、限定された地理的区域で生産、調整、加工されたということを意味します。
PDOプロダクトの認定を受けると、農産物や食料品の生産者にとって他に類を見ない特性をもつ地域ブランド品として販路の拡大に役立つほか、消費者にとっても産地・製法・地域性の保証された付加価値の高い製品を選択する根拠が与えられます。
さらにPDOプロダクトに認定された農産物や食料品は、その産地、由来、特性ついて盗用や誤用、模造、中傷、ニセ表示など消費者に誤解を与え不利益を招くような行為から保護されています。また類似品が商業目的で直接的・間接的に認定プロダクトを侵害することを防止します。

認定を受けた農産物や食料品には、PDOマークが与えられます。  

キオス・マスティハはPDOプロダクトの認定を受け、1997年に登録されました。

(おことわり)
キオス・マスティハには「マスティック」「マスチック」等、複数の呼び方がありますが、当店ではギリシャ語の「マスティハ」を採用しています。

マスティハショップ
 
キオス島のマスティハ
マスティハの採取

キオス・マスティハはギリシャ語でスキノスと呼ばれるマスティハの木(学名:Pistacia Lentiscus var. Chia)から採取された天然樹脂です。
木の幹や枝に先のとがった道具で傷をつけると、そこからまるで涙のように樹液が浸み出します。そして文字通り涙のしずく(ティアー)となって地上にしたたり落ちます。樹液ははじめ粘性の高い透明な液状ですが、15日〜20日経つと水晶の粒ように固まります。口に含むと少し苦みを感じますが、やがてこの苦味をマスティハ特有のフレーバーだと感じられるようになるでしょう。
粒の硬さは気温や外気に触れた時間の長さによって決まります。粒の大きさについても同様です。樹液が絶えず浸み出していれば大きい粒の柔らかいマスティハになりますが、そうでない場合には小ぶりの硬いものになります。

 
マスティハの木とは

マスティハ【学名: Pistacia Lentiscus var.Chia(ウルシ科)】

ギリシャ語でスキノスと呼ばれるマスティハの木は、高さ2〜3メートルの常緑低木です。この高さに育つまで40年から50年もかかる生育の遅い木です。しかし植えてから5年もすれば樹脂の採取が可能です。またこの木は厳しい環境に耐える大変生命力の強い木ですが、霜や寒さに弱い性質があります。接木で殖やし、古くなった木は吸枝から育てた苗木や取り木で世代交代をしていきます。
マスティハの木は地中海地域の低木地帯でよくみられる種類に属しています。しかし不思議なことに、キオス島で育つマスティハの木と島の自然環境が生み出した貴重なマスティハだけにさまざまな有用性が確認されています。

マスティハの木
 
マスティハの栽培・出荷

隣国トルコにほど近いエーゲ海にうかぶキオス島では一年を通じてマスティハの木の栽培、採取、加工が行われています。オリーブなど他の伝統的な農産物と同様に、マスティハも家族単位で栽培が続けられています。

マスティハ農家の一年は、1月から2月に木の枝を剪定して整えることから始まります。3月から4月にかけて土を耕す作業を行い、夏の採取シーズンにむけての準備を春までに終了します。6月になるとマスティハの木の根元には“アスプロホーマ”と呼ばれる炭酸カルシウムの白い粉が念入りに敷き詰められます。
7月になるとマスティハの木の幹や太い枝に傷をつけます。この作業は“ケンティマ”といい、キオス島のマスティハ農家にとって最も大変な仕事です。気候条件にもよりますが、75日ほどの日数がかかります。
ケンティマには中世から伝わる先のとがった道具を使います。この傷からマスティハの樹液が浸み出し涙のしずくのように滴り落ちると、アスプロホーマの上で固い水晶の粒のようになるまで15〜20日間放置されます。

採取されたマスティハは、農家の人たちがていねいに落ち葉や小枝を取り除きふるいにかけます。マスティハは今もキオス島の天然水で水洗いされます。各農家から集められたマスティハの粒は「キオス・マスティハ生産業者組合」で洗浄機に通され、人の手で色やサイズ別にひと粒ひと粒選別されます。この一連の作業は9月いっぱいまでかかります。そしてようやくPDOと「キオス・マスティハ生産業者組合」認定マークを付けて出荷されます。

キオス島ではマスティハの木の栽培から樹脂の洗浄・出荷まで、化学薬品・添加物を一切使用しません。何世紀にも渡って伝えられた伝統の手法をそのままに受け継いでいるのです。中世の趣を色濃く残したギリシャ・キオス島南部の村々で、昔のままの栽培方法や道具を使い、島の自然に溶け込むように暮らす人々が世界でここにしかないマスティハを守り育てています。

天然水で水洗い
マスティハの村々

マスティハの名はギリシャ・キオス島南部に残る中世の入植地の名称にも受け継がれています。“マスティホホリア(マスティハの村)”と呼ばれ、世界中でこの地域だけしかマスティハは採取できません。この貴重な樹脂はずっと昔からこの地区の住人の主な収入源でした。

人々がこの地に定住し始めたのはビザンチン時代にまでさかのぼります。しかし樹脂採取の方法が確立し体系化されたのは、もっと遅いジェノバ統治時代(1346〜1566年)のことです。ギリシャの歴史と同じく、キオス島も何世紀にも渡って他民族による破壊と略奪にさらされました。自然災害による被害もありました。しかしマスティホホリアでは今もなお中世の面影を数多くとどめ、文化遺産的価値も高く評価されています。

中世のエーゲ海沿岸地域は、海賊の被害に悩まされていました。キオス島も例外ではなく、人々は海から見えにくい場所に集落を形成していきました。高い塔を中心に周囲を防護壁のようにぐるりと住居が取り囲む要塞のような形は、この島の集落に共通してみられる特徴です。こうした集落の形成はマスティハの独占的な生産管理にも必要な選択でした。

現在マスティハはキオス島南部の24の村々で採取されます。これらは現存する伝統集落としてギリシャ文化省により史跡指定を受けました。指定を受けた村は次のとおりです。

Agios Georgios, Armolia, Vavyloi, Vessa, Vouno, Elata, Exo Didyma, Tholopotami, Thymiana, Kalamoti, Kallimasia, Katarraktis, Lithi, Mesa Didyma, Mesta, Myrmingi, Nenita, Nehori, Olympoi, Pagida, Patrikia, Pyrgi, Flatsia

 
マスティハの用途
マスティハウォーター

キオス・マスティハの他に類を見ない特徴は、古代より伝わる薬効だけではありません。世界中でエーゲ海に浮かぶキオス島でしか採取できないこと、そしてその特有の香りにもあります。地中海沿岸東部の人々には特に珍重され、彼らの文化と生活に深く溶け込んでいます。いまも食品や飲み物の添加物として、化学・医薬品業界で、さらに化粧品や香料の原材料として広い分野で活用されています。

現在は次のような製品にキオス・マスティハは用いられています。
焼き菓子、スイーツ、ジャム、アイスクリーム、チョコレート、チューインガム、キャンディ、ソフトドリンク、ティー、コーヒー、乳製品、パスタ、トマトソース、酒類、ウーゾ(ギリシャ特産の蒸留酒)、ワイン、サプリメント、口腔衛生プロダクト、外科用品、医療用圧定布、デンタルフロス、石けん、化粧品、アロマキャンドル、エッセンシャルオイル、画材、接着剤など